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トラベルブログ

アルプスはヨーロッパの「富の城」

旅行中に私が大切にしていることは、五感を刺激する体験や興味深い人々に出会うこと、そしてその土地の文化に触れて新しい知識を得ることです。ここ数年それに加えて、パワースポット巡りも重視してきた中、気がついたら何度もアルプスを訪れていました。ドイツ、オーストリア、イタリア、フランス、スイス、リヒテンシュタイン、モナコ、スロベニアにまたがるアルプスは、地域独自の多様性を秘めています。

パワースポットやヒーリングの場所を思い浮かべると、「水」が共通の要素として浮かび上がります。振り返ってみると、私がアルプスで最も豊かな時間を過ごした瞬間は、水と深く関わっていたと感じます。
森林の中で新鮮なマイナスイオンに満ちた空気を吸うこと。朝露に霧。
月と星のエネルギーに満ちた神秘的な湖で泳ぐこと。
ハイキング中に、山の泉や川から冷たい水を飲むこと。
大雨に打たれた後に入るサウナで木の香りと温もりを感じること。
冬には雪景色に包まれて清められること。
これらすべてが細胞レベルで私たちの生命力を充電する経験となっています。

水はすべて同じではありません。自然に活性化された水は、エネルギーが高まっています。私達が日々触れている、光を浴びずに何キロメートルも水道管を通った人工的な水とは比べものになりません。

生来の身体的感性は、何が良いか、何を避けるべきかを知っています。
ペットボトルや水道水を飲むのはあまり好まないけれど、アルプスの泉から水を飲み始めると、美味しくて飲み止まらなく、体に直ちに浸透する感覚を覚えるのはそのためです。プールで泳ぐのには気力が必要ですが、自然の湖や海に飛び込むと体が自然に動き出し、細胞が活気好ずづきます。天然の温泉につかると、家のお風呂と比べて幸福感が増すのもこの理由です。家の加湿器から出る湿気と、森林や雨の後の空気に含まれるマイナスイオンは、比較になりません。

こういった活気のある水を、「構造化水/Structured Water/EZ Water/Hexagonal Water」 と呼びます。日本の水の研究者である江本勝氏のワークを知っている方は、このコンセプトに馴染みがあるかもしれません。
「Structured water(構造化水)」とは、通常の水よりも特定の形態で分子が配置された水のことを指します。これは、通常の物理的法則に従わない現象です。例えば、「水は0℃で凍る」と習いますが、飛行機雲などの「過冷却」状態にある水の粒が存在します。構造化水は、通常の水よりも特定の性質や効果を持つと信じられており、心身にさまざまな恩恵があるとされています。この分野での研究はまだ進行中であり、保守的な科学界に完全に受け入れられるには至っていません。水は未だ解き明かされていない謎が多く、まるで宇宙の秘密を秘めているかのようで、非常に興味深いテーマです。

最近、このテーマがウェルネス界でより頻繁に取り上げられるようになっていますが、実はこれらは19世紀からオーストリアやドイツのパイオニアによって既に知られており、クナイプメソッドなど、アルプス地域は健康へのホリスティックなアプローチを展開してきました。アルプスのホテルもウェルネスを重視し、水の扱いに力を注いでおり、プールやシャワーの水に活気を与えるための施設が増えています。また、アルプスの泉から直接水を供給するホテルも多く存在するため、できるだけそういったホテルを利用するようにしています。

先進国に住む私たちは、水という基本的な必要性が満たされており、ほとんど水について考えることがありません。たとえばドイツの水道水は世界で最高級と称されています。もちろん水道水にアクセスできるだけで恵まれていはいるのですが、問題を掘り下げると浄化システムにも限界があり、水道水には10万以上の合成化学物質が含まれています。薬を例に挙げると、抗生物質からX線造影剤や避妊ピルまで、国で処方された薬の約85%が体内に吸収されずに排出され、これらの残留物は下水システムに流れ込みます。
工業や農業排水などの人為的な活動による汚染、世界的な人口の増加や産業・工業の過剰利用による水不足、水資源の私有化が進む中でますます高品質な水へのアクセス制限、気候変動による水エコシステムの不均衡。これらの状況を考えると、「高品質」な水がますます希少になっていることは、悲しい事実です。
私たち人間を含め地球上の生命は水で成り立っており、地球と人間の健康やバイタリティーの源としての水は真の富であり、それが「贅沢」となってしまっていることに対して、深く考えさせられます。

アルプスは、「ヨーロッパの青い黄金の城」と称されています。それは、ヨーロッパの大部分に生命を維持する飲料水を提供しているからです。都会に住んでいると、あれもこれも必要とされる傾向がありますが、そこから距離を置き、良質な水に浸り、心身を浄化することで満たされる感覚を得ることができます。この感覚をヨーガでは「歓喜鞘」アーナンダマヤ・コーシャ/Bliss Body)と呼びます。内なる輝きを強化すると、物欲などの外的な欲求が薄れ、改めて人生のあり方を見直したりします。
自然の中で過ごす時間は、鈍った身体の感覚や感受性を回復させ、人生をより豊かに生きる手助けとなります。私たちがストレス社会で生活する中で、真の富はバイタリティと心の平和にあるのではないでしょうか。滝や川、森林から発せられるマイナスイオンや高山の清々しい空気は、リラックスや抗炎症作用、免疫力向上に効果的であると科学的に証明されています。さらに、これらの自然の要素は食欲を増進し、デトックスを促進し、脳の活性化を助け、良質な睡眠をもたらすなど、多様なヒーリング効果を及ぼします。
エネルギーに満ちた水のヒーリング効果を考えると、良質な水へのアクセスの重要性は計り知れません。自然に活性化され、浄化された新鮮な水の宝庫であるアルプスには、感謝の気持ちを持ち、訪れ続けたいと思います。

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今年の夏、オーストリアのブレゲンツの森で少人数のリトリートを開催します。この地域は、海外からの旅行者には比較的知られておらず、村々はオーセンティックな魅力を保ち続けています。詳細につきましては、弊社までお問い合わせくださいませ。

www.salon108.com
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伊東えりさ
ドイツ生まれ、ヨガ哲学とアルプス愛好家、RYT500ヨガと瞑想の指導者。
ヨーロッパのアルプスと地中海を中心に、ヨガ哲学をはじめとしたさまざまなウェルネスの分野やテーマを取り入れた旅行を企画・主催している。パワースポット巡り、美味しい食事、興味深い人々や文化との交流を通して、五感と心が喜ぶ経験を提供している。また、個人やグループに合わせて個別にカスタマイズされたヨーロッパでの滞在も提案している。